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最終更新日: 2019.08.16



吉本興業と契約している芸人はいない?契約書を作らない理由はお金!

吉本興業が世間を騒がせている「闇営業」と「経営陣の問題」

社長の会見は、かなりフラフラして、なんの会見だったのかよくわからないと評判。

ワイドショーでは、この問題は分けて考える必要があるというコメントする方もいますが、吉本と芸人さんの間に契約があれば、ここまで大きな問題にはならなかったでしょう。

当記事では「芸人さんとは契約しない吉本興業」について、詳しく紹介していきます。

なぜ吉本興業は契約しないの?

まず吉本興業にも契約はあります。

吉本興業ホールディングスの子会社である「Showtitle」に所属するタレントは契約を結んでいると情報番組の中で発言をしています。

でも芸人さんとは「口頭契約」のみ、または「口頭契約もない」

例外的な方もいるという噂もありますが、経営側は「契約書は作らない」という一貫した姿勢をとっています。

では、どうして契約をしないのでしょう?

そこは、吉本興業がしている収益性の高いビジネスが関係しています。

契約をしないビジネスモデル

いまのエンタメ業界は、専属マネジメント契約をする時代です。

そしてマネジメント契約をするときには「コンプライアンス規則」「名称等の使用」「権利の帰属権」「対価」を契約上で明確に決めなければなりません。

おそらく吉本興業が契約したくないのは「対価契約」

どうして対価を決めたくないのかというと、そこに吉本興業のビジネスモデルがあるためです。

吉本としては、この対価契約をしないことで対価(収入の分配)を決められる立場になります。つまり芸人さんと契約を結ばなければ、企業側が対価比率を決められ、一般的にはありえない収入分配もできます。

吉本興業が実践するビジネスのポイントは2つ!

1.「芸人を集める」
2.「人件費の削減」

2つのポイントを並べると、矛盾しているように思えますが、実際に吉本興業は6000人の芸人を抱えながら対価契約をしないことで、人件費の削減しています。

看板になる芸人さんがいるおかげで、養成学校で間口を広げて人材を確保。かといって6000人全員に売上を分配することはできないので、「売れた人にはある程度のお金を払って、売れない人にはちょっと払う」という低リスク・高リターンの収益モデル。

*ちなみにNSCの入学金は10万円、学費は年間30万円。

実力があればステップアップができるので、夢があるともいえます。

でも大多数は、「売れず、生活できず、消えていきます」

吉本には、売れる人しか残らないので、いいとこ取りです。

ただ芸能界全体で考えても、売れない人の方が圧倒的に多くて、いちいち決まった報酬を支払っている事務所だと人材は増やせないですし、収益性も低くなってしまいます。例えば、この子は売れる!と信じて、お金と時間を掛けても、売れなかったらすべて水の泡。

でも吉本は売れるまで、あまり報酬を払わなくてもいいから、人件費は考えなくてOK!どんどん人を増やして、売れた芸人さんだけ報酬を上げ、会社側も大金をもらう!という流れ。

これはYoutubeも同じビジネスモデルです。

例)吉本=Youtube 芸人=ユーチューバー

売れてくるとメディアが「ブランド化」を手伝ってくれて、芸人さんの単価(出演料、グッズ売上など)を飛躍的に高めてくれるので、トップクラスになると年間で数億~数十億単位の売上も狙えそうです。

「小さいリスクで、大きいリターン」

劇場からテレビに移った時代、このビジネスモデルでここまで成長できたのは吉本興業だけです。

どうして吉本だけが成功したのか?

それはテレビ芸人の象徴「明石家さんまさん」と、天才「ダウンタウン」がいたことで、人件費のいらない夢見る若手芸人を集めることができらからです。そして1度転がってしまえば、このビジネスモデルは、雪だるま方式で成長していきます。

 

契約しないのは悪いこと?!

口頭契約は、芸能界の中でも珍しく、ほとんどの芸能事務所には契約書があります。ジャニーズ事務所にも契約書はあるようです。

では吉本興業がやっていることは「悪いことなの?」というと、そこまで悪いことでもないと思います。

吉本興業の芸人は「売れないと給料が安い」というのは有名なことで、無理矢理に芸人さんを集めているワケではないですし、他の事務所にはない全国規模の劇場もあって、若手とってはチャンスが用意されているという側面もあります。

そこから先は、”弱肉強食の世界”

ただ契約に、口頭契約だけしかないというのは、時代遅れなのは間違いありません。特に売れている芸人さんがトラブルを起こすと、周りへの影響力が大きくなるので、契約書は重要ですね。

芸人ファースト

吉本興業は、「ファミリー」「芸人ファースト」という言葉を会見で使っていましたが、その一方で子会社を31社に拡大しています。

芸人さんの環境改善への投資は、どこまで考えているのかが分かりづらいです。

以前、知り合いの吉本芸人が「自分で営業して仕事を取ってこい!って言われた」と愚痴ってたことを思い出します。もちろん若手は、苦労や経験が芸の肥やしになると思います。でも友近さんのように売れている芸人さんでもマネージャー教育をするという発言もあって、芸だけに集中できる環境とは言えなさそう。

企業体質がこのままだと吉本興業は潰れるかも!?

 

吉本興業に必要な改革とは

吉本興業は「芸人さん」あっての企業。これは絶対です。

吉本側からすれば、テレビ局に営業したり、劇場運営したり、自分達も頑張ってるというかもしれませんが、すべて芸人さんがいてこそ成立するものです。そこを軽く考えてしまうと、所属する芸人さんの気持ちは遅かれ早かれ離れてしまいます。

人気のある芸人さんがいるうちは、まず崩壊することはないですが、いまの吉本が持っている「看板」や「強み」が消えてしまえば、大量離反もありえるだけに少し心配な部分。

教育分野や、大阪万博、ロボットなど、かなり幅広い分野に進出しており、それも改革と言えなくもないですが、今回はようやく芸人さんの職場環境が変わるんじゃないか?とその改革案に注目が集まっています。

 

芸人カテゴリーの子会社化

劇場とテレビの衰退はもう始まっています。

吉本の強みであった劇場に行かなくても、個人が不特定多数へ発信できるプラットフォームができて、収益化もできますし、面白ければそこだけで稼げる場所になっています。

吉本興業としても以前から動き出しており、特に成功させたい「ネットと世界マーケット」

人口が減っていく日本よりもずっと魅力的です。

そのための海外拠点や社員育成、専門部署の創設などは特に必要な改革ともいわれています。

千原ジュニアさんが語った、劇場、テレビ、ネット、海外拠点でやりたいと思った人を、それぞれサポートできる体制を作っておくことは、芸人さんから見ても魅力になります。劇場の時代、テレビの時代と、芸人さんが芸を披露できる場(笑場)を作ってきたのが吉本興業。

でも今の時代それだけじゃだめで、すでに劇場に集客ができていない劇場もあるので、どうやって集客するのか?など具体的な対応まで計画しないといけません。

まずは芸人さんが、芸に集中し、活躍できる環境を作ること。

そしてその環境にお客さんを呼んで、少しでも芸人さんの経験や収入を増やそうと考えるのがファミリー企業だと思います。そういった芸人さんの声も拾っていければ、正しい投資先は見えてくるはずです。

 

事務所移籍の自由化

元SMAPのメンバー3人があからさまにテレビから姿を消したことで、業界には”暗黙ルール”があると視聴者は気づいてしまいました。あんなに知名度のある香取さん、草彅さん、稲垣さんがいなくなるのは「絶対におかしい」って思ってしまいますよね。

この部分は、かなり批判されているので、そろそろテレビ局や芸能事務所、制作会社など業界全体で変わらないといけません。もし移籍が自由化になったとしたら、今の吉本より他の事務所の方が給料が良くなってしまう可能性もあり、不利な展開に。

吉本としては、いつ自由化の流れになってもいいように、準備をする必要はありそうです。

移籍ルールは業界全体で決めて、移籍金や移籍後のインセンティブ契約など、個人も企業もフェアな自由競争ができるようになるのが理想。

 

契約のアップデート

今回の闇営業の問題は、原因となった入江さんの仲介と、宮迫さんが嘘のせいだと考える方は多いと思いますが、契約さえしていれば吉本側もしっかりと対処できた問題です。コンプライアンス契約の基準がないと企業の決断もブレますし、当事者はヤバいと思って嘘をついてしまうことも。

コンプライアンス規則

内容処分
直営業の報告義務
反社との写真撮影
反社営業へ参加
反社営業の仲介
反社勢力との交友
虚偽の説明
注意、減俸
注意、減俸、謹慎
謹慎(有限・無期限)
契約解除
契約解除
契約解除

こういった基準があると、当事者もダメな行為がはっきり理解できて、何かあったときの処分理由も分かりやすいですよね。この内容だったら入江さんの処分だけで止まり、そのあとの宮迫さんの虚偽説明もなかっと思います。

また精査後、処分発表すれば、後から問題が噴出しても会社側は対処できます。

対価契約
どうしても対価契約をしたくない場合、サッカー(Jリーグ)のように段階に分けた契約システムを構築して、最初は「契約なし」からスタートして、出演数や売上などの実績に応じて、契約を上げていくことも考えられます。

年俸の上限
A契約上限無し
B契約1000万円
C契約500万円

契約できるレベルになったら収支公開はしたほうが「芸人ファースト」

今はテレビ局からの報酬が分からないまま、吉本からの報酬しか開示されていないようなので、そこを明確にすることで、より会社への理解も深まりそうです。いくら社長から平均で「5:5」か「6:4」と言われても、全体を知らない芸人さんからは「8対2の収入分配」をしていると疑われても仕方がありません。

 

まとめ

契約問題、芸名使用、移籍の暗黙ルール(パージ)、バンドリング戦略など、ずぶずぶの関係があるテレビ局と芸能。こういったヘンな慣習は無くしていかないと、作品の面白さや、笑いの本質からはどんどん遠ざかっていき、視聴者は冷めていくばかり。

視聴者がテレビへの価値や興味を失っていけば、ネットや海外コンテンツに完全に支配されますし、テレビには海外にも売れないコンテンツだけが残ることになります。

これは吉本興業だけでなく、業界全体が強い危機感を持ったないといけない問題なんですね。

 

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