こんにちは、マグ(MAG)です。
みなさんは VGP って聞いたことありますか?オーディオ機器の業界では、有名なアワード(賞)で、一般ユーザーでもテレビやオーディオ機器などを選ぶときに、この「VGP」を参考にしている人も意外と多いようです。
そこで今回は、VGP についてチョット調べてみました!
VGPとは
VGP とは、オーディオ機器、テレビ、カメラなど幅広いカテゴリーから、審査や選考を通して授与される賞のことです。
簡単に説明するならオーディオ・ビジュアル界の「アカデミー賞」
もしくは「グッドデザイン賞」や「モンドセレクション」のような感じと言われたほうがイメージはしやすいかも。
もともと 1987 年にスタートした VGP(当時 / ビデオ・グランプリ)は、映像と音響カテゴリーだけの小さなアワードだったようです。しかしその後は、より幅広いカテゴリーを対象にして、日本国内で最大規模のアワードになっていくことになります。
まず応募されたオーディオ・ビジュアル製品から、評論家 10 名(VGP審査員)と全国の有力販売店が選考に参加。その後、各カテゴリーから受賞モデルが発表されるというのが基本的な流れです。
主催は「株式会社 音元出版」
あの PHILEWEB 等を運営している有名な企業さんですね。
VGP 受賞までの流れ
受賞までの流れを少し詳しく!
エントリー
メーカーが作った製品を選考してもらうためには、年に 2 回(夏・冬)開催される VGP へエントリーしなくてはなりません。
つまり VGP は、世界中から優れる製品を探しているアワードではなく、あくまでエントリーした中(自薦)から選考されます。
これはグッドデザイン賞や、モンドセレクションと同じ。
逆にエントリーしないと「どんなに素晴らしい製品」でも VGP を受賞することはできないようです。
エントリーにかかる費用などはサイト上では公表されていませんが、おそらく費用は必要になると思います。
ちなみに、グッドデザイン賞は「一次審査 1 万円、二次審査 6 万円。受賞展覧会へ出展 12 万円、 年鑑の掲載料 3 万円。ロゴ使用料 20 万円」くらいとも噂されています。
選考方法
最初の選考は、販売店と審査員による投票です。
エントリーされたすべての製品に対して、家電量販店や全国の有力専門店と、全 10 名の VGP 審査員が選考し、投票していきます。
投票のポイントになるのは、クオリティ、機能性、市場性など
投票が終わった後に、VGP審査員 10 名が「映像音響部会」「ピュアオーディオ部会」「ライフスタイル分科会」に分かれ、それぞれ計 3 回の審査会が行われ、ここで最終的な受賞モデルが決定されていきます。
受賞後
結果は Web メディアを始め、フリーマガジンの「VGP受賞製品お買い物ガイド」、ホームシアターの総合誌「ホームシアターファイルPLUS」などで発表されます。
もしメーカーが「わたしたちが作った製品は、VGP を受賞しました!」と表記したいときは、おそらくロゴ使用料などが発生するでしょう。一般ユーザーである私たちも家電量販店や、アマゾンで【 VGP 受賞モデル】と掲げられている表記や POP を目にする機会は多いですよね。
VGP への疑問と信憑性
よくあのロゴ見るけど、VGP ってどうなの?
受賞する確率は?
公式サイトの情報によると VGP 2021(夏)には、おおよそ 2,000 モデル(製品)がエントリーしたとのことです。( 2024 年冬は 2,500 モデルに増加)
)
では、2021(SUMMER)で受賞した製品はいくつ?
想像以上に数えるのが大変でしたが、エントリーされた 約 2000 製品のうち、VGPを受賞したのは 約 988 製品(金賞を含む)です。
え?半分も受賞しちゃうの!?と思うかもしれませんが、その通りです。
あくまで VGP 2021(夏)にかぎっての受賞確率なら「おおよそ 5 割」といえそうです。ただし、審査過程で一定のクオリティを越えた製品が5割あったという結果なので、絶対に半分が受賞できるということではないでしょう。
ここで知っておきたいのは、受賞に至るまでの「評価基準」や「審査の詳細」は、実際に商品を買うことになる消費者には分からないということです。
お金を払うと受賞できる?
これはわかりません。
受賞していない製品も半分あるので、さすがにそれは無理だろうなと思います。
ただし「審査員と販売店の選定方法」「評価基準」「費用」「落選した製品」など、このあたりはクローズドな情報(2024年9月時点)になっているため、実際にどういう内部システムになっているかは、謎に包まれています。
VGP(アワード)への信憑性は?
難しいところですが、あくまで個人の意見としていうなら、わたしは何かを買うときの参考にはしていません。
その理由は「不透明さ」です。
例えば、VGP 2021 SUMMER で受賞した「4K有機ELテレビ」のカテゴリー
4K有機ELテレビ(70型以上) | 4K有機ELテレビ(50型以上60型未満) | 4K有機ELテレビ(50型未満) |
金賞 SONY XRJ-83A90J | 金賞 PANASONIC TH-55JZ2000 受賞 TOSHIBA 55X9400S 受賞 SONY XRJ-55A90J 受賞 HISENSE 55X8F 受賞 SHARP 4T-C55DS1 |
金賞 TOSHIBA 48X9400S 受賞 SONY KJ-48A9S 受賞 HISENSE 48X8F 受賞 PANASONIC TH-48JZ1000 受賞 SHARP 4T-C48CQ1 |
*受賞データは、VGP公式より引用
同じメーカーのモデルでもサイズが変わると金賞だったり、受賞になったりと、評価基準が変わった??かのような動きがあります。同型モデルにあるスペック差、画面サイズへの評価基準について説明もないため、おとなの事情を感じちゃうところです。
ほかにもエントリー費やロゴ使用料、落選した製品を公開していないこと。
もちろん、落選メーカー側からしたらイメージ悪化を防げますし、主催側としても、年 2 回の取引相手であるメーカー側に寄り添うのは当然です。
でも、消費者(ユーザー)にとってはどうでしょう??
落選したメーカーや製品のダメだったポイントって、意外と知りたい情報だったりします。
その情報をオープンにしない状況って、消費者を見ていない気もしますし、メーカーへの「配慮(イメージ悪化や販売貢献)」が膨らんじゃうと、評価基準などもブラックボックス化しやすくなりそうです。
だって、年 2 回もお金を払ってくれるメーカー(お客様)に「クオリティ落ちたぞ、もっといいもの作れ」とは言いづらいもん!
まとめ
日本では、サステナブル(持続可能な社会)という言葉が先走りしていますが、世界では原価率をオープンにしちゃってるファッション・ブランドが続々と登場してきています。
これからは「透明性」「倫理観(道徳)」について考える企業が増えるかもしれません
もしわたしが VGP という賞に「信憑性」はあるかと友人に聞かれたら「あまりない」とキッパリ言います。
これは VGP 批判ってわけではなく、そうしたくてもできない部分だったり、どちらも利益を守らなきゃって立場もあって、すごくバランスも難しいんだろなとは思います。
現実的に、とにかく売れればいいってマインドで、資源を無駄にするメーカーはいくらでもあるわけで「こういうクオリティ、機能は全然ダメだよ」って言えるオープンな場だったり、こんな素晴らしいユーザー体験ができるって「技術」を評価してくれる存在は、世の中にも消費者にとっても必要なんです。
そういう意味で、VGP の今後にはひとりの消費者としては期待しています。
わたしは大人。明日も VGP 受賞イヤホンを使うのです
ではまた!